2.5 倍 迅速なプロジェクトデリバリ

6 ヵ月(プラットフォームの立ち上げまでの期間)

42% 効率が向上

課題

優先すべきはeコマース

運動靴とアパレル製品の世界的企業であるアシックスは、最高品質のランニングシューズを提供することを使命としています。アシックスはランナーのパフォーマンス向上を専門としていますが、その一方で自社のデジタルパフォーマンスに関しては問題に直面していました。アシックスは新しいeコマースプラットフォームを採用しましたが、世界中に展開している7つのブランド間で、注文管理や製品管理などの異種システムを接続することができずにいたのです。そのためシームレスで一貫したカスタマーエクスペリエンスを提供することに苦戦し、eコマースでの収益は全体のわずか数パーセントに留まっていました。同社は、デジタルチャネル経由で顧客を直接取り込み、大手のオンライン小売企業と競争できる新しいアプローチが必要だったのです。

目標

ユニバーサルなeコマースプラットフォームの構築

eコマースを推進する新しいデジタル戦略の一環として、アシックスはすべてのブランド、地域、チャネルにわたっていくつものシステムを統合する必要がありました。その統合のためには以下のことを実現しなければなりません。

  • アシックスのグローバルなブランドポートフォリオを管理するためのユニバーサルeコマースプラットフォームを構築する
  • さまざまな注文管理システム(OMS)、製品管理システム、決済代行者、emailサービスプロバイダー、そしてすべてのバックエンドデータにアクセスするレガシーシステムと統合できるAPIを開発する
  • 新しいeコマースプラットフォームへ移行する

ソリューション

カスタマーエクスペリエンスがすべて

ASICS Digitalのエンジニアリングディレクター、Connaughton氏は、次のように説明しています。「新しいeコマースサイトを構築するには、各ブランドのすべてのバックエンドシステムをeコマースのストアフロントに接続する必要がありました。ここで、MuleSoftは非常に重要な役割を果たしました。これらすべてのバックエンドシステム間でポイントツーポイント接続を確立するのではなく、MuleSoftを中央に配置してやり取りの前後処理を担うことにしました。」

アシックスはMuleSoftのAnypoint Platformを利用してAPIを構築し、複数のサイロに格納されていた顧客情報、注文状況、リアルタイム在庫、価格設定などのすべてのデータに新しいeコマースプラットフォームからアクセスできるようにしました。この結果、アシックスはプロジェクトの初期段階でMuleSoftを使って、10以上の主要な製品管理システムをeコマースプラットフォームに接続できたのです。

「開発で最も難しい課題の1つは接続です。」と、Connaughton氏は述べています。「この接続のための開発にはどれだけ時間を費やしてきたかわかりません。しかしAnypoint Platformを使用すればこうしたさまざまなシステムをすべて接続でき、開発者の負担を削減してくれます。」

Connaughton氏はさらに、次のように述べています。「私たちのeコマースのストアフロントは、さまざまなバックエンドシステムに影響を受けないものである必要があります。MuleSoftは、ポイントツーポイント接続やその他の潜在的な問題点を除去し、eコマース戦略の推進を支援してくれます。今では、さまざまなバックエンドの製品システムをすべてeコマースプラットフォームと統合しているため、ストアフロントとバックエンドシステムの接続に関しては一切テストする必要がなくなりました。MuleSoftを使用することで、eコマースのストアフロントでの処理を大幅に迅速化でき、全員がカスタマーエクスペリエンスの向上に注力できるようになりました。」

「MuleSoftのおかげで、私たちはすべての時間をファーストクラスのエクスペリエンスを目指すことに注ぎ込むことができ、現在のお客様との関係があるのです。」

Phil Connaughton

ASICS Digitalエンジニアリング担当ディレクター
Phil Connaughton

さらに、Anypoint Platformを通じて開発され、API化された接続性は、すべてコンポーネントとして再利用可能です。たとえば、最初のプロジェクトで開発されたASICS Email APIは、eコマースプラットフォームを世界規模でデプロイする際に何度も再利用されています。

「MuleSoftは、コードを再利用できるという点で優れています」と、Connaughton氏は言います。「コンポーネントを複数のアプリケーションで再利用できるわけですから、開発期間も当然短縮できるのです。」

さらに、MuleSoftを活用することで、データがさまざまな情報ソースからユニバーサルなeコマースプラットフォームにインポートされるため、アシックスは複雑で時間のかかるデータ変換を簡単にすることができます。

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成果

開発スピードを2.5倍に加速

eコマースプラットフォームの最初のフェーズは2.5ヵ月かかると見積もられていました。しかし結果はたった4週間で完了したのです。アシックスがAPIの再利用を進め、Anypoint Platformでデータ変換した結果です。

Connaughton氏は次のように説明しています。「この4週間の間に、作成中の他の多くのアプリケーションと共有できるコードを開発できました。最初のプロジェクトだけでなく、今後の他の多くのプロジェクトにおいても多くの時間を節約できます。Javaでeコマースプラットフォームを構築した場合と比べ、Anypoint Platformを使用した場合は、2.5倍速く構築が進んでいます。」

さらにConnaughton氏は、次のように述べています。「MuleSoftはDataWeaveのような優れたテクノロジーを採用しているので、私たちは新しいeコマースプラットフォームを一層早く市場に投入できました。MuleSoftの大きな利点はデータ変換がすばやく簡単なことです。データ変換をピュアなJavaコードで記述する必要はなく(これは可能ですが面倒かつ困難です)、DataWeaveを使用できます。私たちは約1週間でアプリケーションの最初のイテレーションを作りました。もしJavaで同じことをやろうとしていたら2〜3週間はかかったでしょうし、より多くのバグが発生したと思います。」