CRMインテグレーションで「単一の顧客ビュー」を構築する方法

CRMインテグレーションを理解するためには、まず、企業におけるこれらのシステムの役割について理解する必要があります。CRMシステムは、あらゆる業界の企業にとって価値の高い資産です。これらのシステムは、マーケティング、カスタマーサービス、セールス、オペレーションなどの各部門が、顧客とビジネスとの相互関係をより正確に把握するための顧客データを保持しています。

これらのデータは、CRMインテグレーションによって「単一の顧客ビュー(Single Customer View)」を構築できたときに最も価値が高まります。これにより、企業は顧客層を理解し、より適切な製品とサービスを提供することができるようになります。CRMシステムによって単一の顧客ビューを構築できるのは、出荷アプリケーション、請求システム、注文状況管理システムなど、ビジネステクノロジースタック全体と完全に統合されている場合だけです。

CRMインテグレーションの課題

CRMインテグレーションの主なメリットの1つは、単一の顧客ビューを構築することですが、企業はCRMシステムを他のアプリケーションと統合するとき、問題に直面することになります。主な障害の1つとして挙げられるのは、異なるソースからのデータをまとめることです。たとえば、顧客の連絡先情報はSalesforceなどのCRMに、注文履歴データはSAPに、購買データはPOSシステムに、ソーシャルメディアデータはFacebookに、というように分散して保存されていることが一般的です。

統合されていない状態で、カスタマージャーニーを構成する顧客データと顧客とのやり取りを完全にトラッキングすることは困難になります。つまりCRMだけでなく、さまざまなアプリケーションやデータ、その他のデバイスを持つことは、データを統合し単一の顧客ビューを素早く構築することを難しくしているということが現実です。

CRMインテグレーションのソリューション

多くの企業は、CRM システムと他のアプリケーション(POS システムや SAP など)とを繋げるために、ポイント・ツー・ポイント接続のアプローチ(アプリやシステム間を直接接続する方法)に頼っています。この従来型のアプローチは、もはや適切ではありません。ポイント・ツー・ポイント接続では、開発者は、CRMとそれに繋げる多数のシステムの間にカスタムコーディングを記述しなければなりません。このアプローチでは、アプリケーションが少数のうちは、その間の通信を迅速かつ容易に実装することは可能です。しかし、将来性も拡張性もないアーキテクチャが出来上がってしまいます。

早いうちにポイント・ツー・ポイント接続を回避しないと、いわゆる「スパゲッティコード」に陥ってしまいます。行き着く先は、混乱しやすく、壊れやすく、メンテナンスが面倒なシステムの完成です。将来、企業のビジネスが変化するとき、このスパゲッティアーキテクチャをビジネス変化に合わせて最適化することは、ほぼ不可能でしょう。

こういった背景のもと、多くの企業がCRMインテグレーションのためにAnypoint Platformに注目しています。この接続プラットフォームにより、企業はCRMシステムをあらゆるアプリケーションと簡単に接続・連携・統合することが可能になります。APIで統制しながら多くのアプリケーションやデータ(例:POS、ERP、他)とデータを公開する「API主導の接続性」アプローチにより、企業は、API を戦略的に設計・利用することで、CRMインテグレーションをより効果的に実施することができるようになりました。

API主導の接続性のアプローチのもと、CRMインテグレーションによって「単一の顧客ビュー」を構築する方法をお読みください。