インテグレーションとは?

インテグレーションとは、2 つ以上のモノを組み合わせて 1 つのモノを作り上げることと言えます。企業にとってインテグレーションとは、ソフトウェアやシステムインテグレーションを指すことが多く、複数のビジネスシステムを接続・連携・統合して操作できるようにすることを意味します。

インテグレートすることで、複数のシステムが接続され、情報を共有することができるようになります。このようなインテグレーションソリューションには、Web サイトからの情報リクエスト、社内の従業員システムによる情報の送受信、POS と CRM のデータを連携させたレコメンド機能など、さまざまな形態があります。

業界を問わず、ソフトウェアによるインテグレーションは、接続が必要な複数のシステム、アプリケーション、デバイスまたはデータセットがあれば、事業のほぼすべての事例やユースケースに適用することができます。

インテグレーションのパターン

複数のシステムの接続・連携・統合には、5 つの主なデザインパターンがあります。これらのパターンはシステムがデータを送受信するためのパターンになります。

  • 移行/マイグレーション (Migration):データ移行とは、あるシステムから別のシステムへデータやデータセットを移動させることです。ある特定の時点におけるデータ移動のことで、このデータセットは一度のみの移動であると考えることが一般的でしょう。通常は、あるシステムから別のシステムに切り替える際に、古いシステムのデータを移動させなければならない時に発生します。
  • ブロードキャスト (Broadcast):1 つのシステムが複数のシステムに向けてデータ送信する場合、「一対多 (one to n) 通信」と呼ばれることが多いです。ブロードキャストでは、リアルタイム更新や定期更新が行われ、システムに存在する情報を可能な限り最新に保ちます。
  • 集約/アグリゲーション (Aggregation):集約とは「多対一 (n to one) 通信」と考えることができます。複数システムのデータ群を 1 つのシステム内で同期させ、最新の状態に保ちます。これにより、企業はあらゆるデータの組み合わせが可能になり、複数システムのデータを 1 つのビューにまとめて表示できます。当然、部署や担当者が必要とするデータのみを集約することが可能です。
  • 双方向同期 (Bidirectional Sync):双方向同期とは、2 つ以上のシステムが相互通信し、複数のデータセットを持つ単一システムとして動作することです。それぞれ独自の業務目的を持つシステムが関連するデータセットにリアルタイム接続することで、さらに多くのことを実現させるために採用するパターンとなります。
  • 相関 (Correlation):相関は、複数システムにデータをリアルタイムで格納するという点で、双方向同期と似ています。これは類似データに関連付けるのみとなるため、データの複製ではありません。この相関パターンでは、データが 2 つ以上のシステムに存在するならば、それらにフラグが立ちます。一方、データが 1 つのシステムにしか存在しない場合、相関パターンは発動されません。

企業にとってインテグレーションのベネフィットとは?

企業は、今日のデジタル時代において、社内外の双方から適切に接続されることが重要です。

ビジネスリーダーや関係者が、社内のシステムインテグレーションに関する業務の意思決定を行うためには、組織全体からデータにアクセスできなければなりません。従業員は、最新データにオンデマンドアクセスが可能になります。そのため、手作業でシステムの集計や更新のために時間を浪費することがなくなり、効率的な業務遂行が可能となり、生産性が大幅に向上します。

お客様や顧客が、必要な情報へ必要なときにアクセスでき、適切な担当者にリクエストできることも大切です。企業が Web サイトやインテグレーションサービスにおいて、迅速かつ好ましい体験を提供できなければ、リピーターを作り上げることは不可能でしょう。

インテグレーションのベストプラクティス

多くの企業では「ポイントツーポイント接続」でシステムを統合しています。しかし、これでは利益よりも損失が大きくなりがちです。ポイントツーポイント接続とは、個々のシステムをカスタム接続すること。つまり、3 つ以上のシステムが接続されると、数十以上のインテグレーションが必要となり、圧倒的に複雑なシステムになってしまいます。

やみくもに多数の個別接続を実装させてしまうと、IT 部門は既存のシステムやアーキテクチャの保守や更新、改修といった運用業務が面倒かつ複雑になってしまいます。それでは、企業内から起こるイノベーションのスピードを遅らせ、IT 部門の時間が浪費されてしまいます。

解決策は、各アプリケーションに API を接続することで、これらのシステムを統合することです。これにより、アプリケーションはアクションを起こすのために必要かつ正確な情報の送受信ができるようになります。これらの API はアプリケーションの相互通信を可能にさせ、情報ネットワークを構築することができます。このアプリケーションネットワークで、企業は各アプリケーションやデータ、デバイス、デジタル資産から正確なデータをスムーズに取得することができるようになります。

アプリケーションネットワークでは API の再利用を促し、システム間の接続・連携・統合の高速化を実現させ、IT 部門が似たようなコードを何度も記述しなくても済むようになります。アプリケーションネットワークとは、言わば、『API の集合体』であり、プロセスやエクスペリエンスによってグループ化でき、一連の API を簡単に再利用することができます。

インテグレーションとアプリケーションネットワークが実現するベネフィットについては、このホワイトペーパーをご一読ください。